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株券不発行制度の導入(案)について

商法の改正が頻繁ですが、先日、増資を依頼された会社を訪問した際に株券の発行についての問い合せがありましたので、株券不発行制度について考えて見ます。

現行法では、株式会社は、その成立後又は新株の払込期日後、遅滞なく株券を発行しなければならないとされており(商法第226条第1項)、また、株式の譲渡をするには、株券を交付しなければならないとされている。
なお、株主の申出により株券を発行しない株券不所持制度(商法第226条ノ2第1項)が設けられているが、この制度は、株主の請求があると、いつでも株券の発行をしなければならないものである。(商法第226条ノ2第4項)

現在の経済活動の迅速さと株式公開会社に限らず、中小企業やベンチャー企業などの資金調達の方法の多様性に対応すべく、株券不発行制度の導入が検討されております。
法務大臣の諮問機関である法制審議会の会社法部会の第12回会議が平成15年7月30日に開催され、「株券不発行制度及び電子公告制度の導入に関する要項中間試案」が決定され公表されております。
まもなく法案が国会に提出されそうで、そうなればおおかた法務省の提案どおりになることが予想されます。

 ●印刷せずに帳簿で株管理
 ●決済短縮、リスク減少の効果

現在の中間試案では、株券不発行制度の導入については、(甲案)「公開会社か否にかかわらず、株券不発行制度を採用するかどうかは、各会社の定款自治に委ねる」と(乙案)「改正法の施行後5年以内の政令で定める日において、株券を発行しない旨の定款を定めたものとみなすことにより、一斉に株券不発行会社に移行する。」案が併記されており、この2案のうちのいずれかが改正法として採用される予定です。

ただし、中小企業では、株式譲渡制限の規定を設定している会社がほとんどで、出資と経営が分離していないので、資金調達の方法の流動化が促進されるかは疑問であり、あくまでも、大企業および株式公開会社のコスト削減に重きを置いた改正と思われます。
なお、同時に検討されている電子公告制度における各種債権者保護手続における個別催告の省略等が諸手続の簡素化に大きく貢献しそうです。

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